更新日時:2016.11.04
主訴:元気食欲の低下 陰部からの排液
検査:
血液検査 白血球数、炎症マーカー(CRP)ともに重度高値
腹部超音波検査 腹腔内に管腔構造物を認める。子宮の拡張を疑う
子宮の拡張 (普段子宮は超音波検査では描出できないことが多い)
上記の所見より、子宮蓄膿症と判断し、緊急手術により子宮・卵巣を切除。
6日間の入院管理を経て、無事退院しました。
病理診断:子宮蓄膿症
子宮蓄膿症
子宮蓄膿症は子宮内に細菌性膿液が貯留する疾患であり、子宮内の細菌が産生する内毒素(エンドトキシン)により、一般状態が著しく低下する病気です。
通常子宮内に細菌が入るだけでは発症せず、ホルモンバランスにより易感染状態になった際(多くが発情出血後1-2か月)に発症します。開放性子宮蓄膿症と閉塞性子宮蓄膿症があり、閉塞性は陰部からの排膿をあまり認めないため、気づきにくい場合があります。治療法は基本的には外科的に卵巣・子宮全摘出を行います。実際、子宮蓄膿症は重篤な状態で来院することが多く、緊急手術になる場合が多いです。事前に避妊手術を行うことで予防することができます。繁殖等考えられていない方は、若いうちに避妊手術を行っておくのも一つでしょう。
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