更新日時:2016.04.19
チワワ、メス(避妊)、 6歳
《主訴》
目の下が腫れていると来院
歯石の付着および歯肉炎が重度なことから、歯周病の一つである眼窩下膿瘍をうたがった
《検査と治療》
1週間ほど抗生物質を投与した上で、全身麻酔をかけて口の中の詳細な検査と治療を行った。手術当日には、目の下の皮膚には穴が開き、膿が出ていた(写真)。
口内撮影用のレントゲンなどで、原因となっている歯(今回は、右上顎の第4前臼歯)を突き止め、その歯と、他にも重度歯周病を起こしている歯を数本抜去した。
《経過》
処置後は、目の下の腫れもおさまり、口臭などの症状も改善した
歯周病
歯垢中の細菌によって起こる、その名のとおり歯の根っこの周りの病気です。2歳以上の犬の約80%が歯周病にかかっていると言われています(反対に、犬では虫歯はほとんどありません)。
歯周病は、歯肉炎(ハグキの炎症)からはじまり、徐々に深いところに病気が進んでいきます。また、人と同様に動物でも、歯周病が重度になると全身に歯周病菌がまわり、心臓や腎臓などに悪影響を及ぼすことが知られていますので、毎日のハミガキによる予防が何より大事です
眼窩下膿瘍
重度の歯周病の場合に、主に上顎の奥歯の根元に膿がたまることで起こります。目の下の部分の腫れの他、その部分の皮膚のカサブタ、排膿などの症状が出るため、皮膚病と間違って治療されてしまう場合もあるので、注意が必要です。治療には、ほとんどの場合抜歯が必要になります
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